私は怒りを頻繁に感じていた時期があった。怒りがあふれるのは愛が小さいからではない。怒りから解放された今も私の愛は小さいままだ。
愛と赦しで怒りに勝利しよとすることは水道の蛇口を自分で開いておいて水をとめようとしているようなものだ。大きな愛と赦しは怒りの火を小さくすることはできるが、小さくなった怒りは不満という小さな火になって、 "くすぶる燈心" のように残り続ける。
愛し赦していても、相手より自分が正しい前提を持ち自分を高く上げて被害者の座に座って水道の蛇口を開いている者は水＝苦味＝怒り＝火＝トゲを刈り取る。善悪の知識の木から取って座して王になろうとする者は、"いばらの冠" と "あざみ" のトゲを頭上に授けられる刈り取りから逃れることはできない。
「聖書の御言葉」に従わない人に頻繁に怒っていた時期の私は "兄弟に向かって腹を立てる者は、だれでもさばきを受けなければなりません" と書かれた「聖書の御言葉」に従えていなかった。
"怒っても、罪を犯してはなりません。日が暮れるまで憤ったままでいてはいけません" によっても "弁解の余地 " はない。後の節に "憤り、怒り…などを、いっさいの悪意とともに、みな捨て去りなさい" とも書いてある。もっと言うと "すべての事について、感謝しなさい" と書いてあるのに、いったいどんな "私的解釈" をすれば怒ることを聖書的に正当化できるだろうか？
感情は必要だ。感情をなくせば、怒りだけでなく喜びもなくなる。怒るカインに主は "日が暮れるまで" と言わず "治めるべきである" と言われた。怒りを感じ怒りの感情を知覚することは罪ではないが、自分が怒っていると自覚して以降も怒り続けることは選択だ。
"悪魔に機会を与えないようにしなさい" …怒りにとどまる選択は蛇口を開く。開いた蛇の口から来る "火矢" はいばらのように心に刺さり、自分自身の怒りという地獄の火を前借りしたような火で霊肉魂を焼かれる刈り取りという懲らしめと罰と警告が自分を義とする選択にとどまる者に逃れようなく定められている。
完全な義である神だけに怒る権利がある。全て益とする神にあっては誰も被害者になることができないので、人には怒る権利はない。
人には他者を支配する権利もない。"互いに教え、" と書いてある。全ての人には互いに教え合う権利がある。誰かの反論に怒り、反論を禁止して同意させ、互いに教え合う権利を奪い取り支配する権利は誰にもない。
"夫を恋い慕うが、彼は、あなたを支配する" …支配は善悪の知識の木から来る刈り取りだ。自分が正しい前提は自分が被害者である前提となり、被害者は怒りに支配され、怒りに支配された者は他者を支配しようとする。
相手より自分が正しい前提を持たず "自分を低くする者" は "尊敬をもって互いに人を自分よりまさっていると思いなさい" と書いてある御言葉を実行して他者の反論を、尊敬している先生の言葉のように聴く。
善悪の知識の木も怒る権利も手放し、「私の目に "いかにも好まし" く正しく見えていても、間違っているのは私の方かもしれないので、私に反論して私の "目の中のちり" を取り除いてください」と小さい子のように自分を低くして、自分に反論を語る者を尊敬し感謝して反論に耳を傾け、互いに教えられ合うことができる者は全ての事について感謝できる "祝福を受け継ぐ"
神にあって被害者はいない。神は守ってくださるが、大いなる祝福を得させるために苦難が必要な場合は、その苦難を神は取り除かない…勝利者の名は "神に愛されている人"
夜は時間ではない。夜は場所だ。太陽の光の範囲の外にだけ夜がある。"光はやみの中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった。"
ヨハネの福音書 1章 5節
"神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。"
ローマ人への手紙 8章 28節
"すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです。"
テサロニケ人への手紙第一 5章 18節
"舌は火であり、不義の世界です。舌は私たちの器官の一つですが、からだ全体を汚し、人生の車輪を焼き、そしてゲヘナの火によって焼かれます。"
ヤコブの手紙 3章 6節
"私たちは、舌をもって、主であり父である方をほめたたえ、同じ舌をもって、神にかたどって造られた人をのろいます。
賛美とのろいが同じ口から出て来るのです。私の兄弟たち。このようなことは、あってはなりません。"
ヤコブの手紙 3章 9〜10節
"さばいてはいけません。さばかれないためです。
あなたがたがさばくとおりに、あなたがたもさばかれ、あなたがたが量るとおりに、あなたがたも量られるからです。
また、なぜあなたは、兄弟の目の中のちりに目をつけるが、自分の目の中の梁には気がつかないのですか。
兄弟に向かって、『あなたの目のちりを取らせてください』などとどうして言うのですか。見なさい、自分の目には梁があるではありませんか。
偽善者よ。まず自分の目から梁を取りのけなさい。そうすれば、はっきり見えて、兄弟の目からも、ちりを取り除くことができます。"
マタイの福音書 7章 1〜5節
"兄弟愛をもって心から互いに愛し合い、尊敬をもって互いに人を自分よりまさっていると思いなさい。"
ローマ人への手紙 12章 10節
"というのは、私たちの知っているところは一部分であり、預言することも一部分だからです。"
コリント人への手紙第一 13章 9節
"キリストのことばを、あなたがたのうちに豊かに住まわせ、知恵を尽くして互いに教え、互いに戒め、詩と賛美と霊の歌とにより、感謝にあふれて心から神に向かって歌いなさい。"
コロサイ人への手紙 3章 16節
聖書 新改訳©2003新日本聖書刊行会
